全3巻の内容
![スペシャリテ:[第1巻]【北方】北京・【南方】広東](images/h_contents01.gif)

モンゴルの大地やゴビ砂漠に境を接する万里の長城と、中国第二の大河である黄河に挟まれた、北方地域。
その北部に位置する首都北京の料理は明・清代からの歴史に育まれ、
庶民のための小吃から王族貴人のための贅を尽くした乾貨料理まで、圧倒的な多彩さを誇ります。
調理人の多くがかつて歴代王朝の都がおか れた黄河下流域・山東省の出身者だったため、
宮廷料理には山東料理の影響が今も感じられると言います。
油脂をしっかり使い、葱やにんにくなど香味野菜を多用するのは、この二つの地域に共通する特徴。
また、特産の石炭の火力を生かした強火炒め「爆」も、この地域ならではの技法です。
豚、鳥、家鴨などの家畜や家禽、黄河の淡水魚類に加え、
北方騎馬民族やイスラム族に由来する羊肉やウイキョウといった香辛料など、食材も豊富に使います。
その北部に位置する首都北京の料理は明・清代からの歴史に育まれ、
庶民のための小吃から王族貴人のための贅を尽くした乾貨料理まで、圧倒的な多彩さを誇ります。
調理人の多くがかつて歴代王朝の都がおか れた黄河下流域・山東省の出身者だったため、
宮廷料理には山東料理の影響が今も感じられると言います。
油脂をしっかり使い、葱やにんにくなど香味野菜を多用するのは、この二つの地域に共通する特徴。
また、特産の石炭の火力を生かした強火炒め「爆」も、この地域ならではの技法です。
豚、鳥、家鴨などの家畜や家禽、黄河の淡水魚類に加え、
北方騎馬民族やイスラム族に由来する羊肉やウイキョウといった香辛料など、食材も豊富に使います。
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「華南」と呼ばれるこの地方は、亜熱帯または熱帯性気候に属します。
土地は肥沃で農作物に恵まれ、海に面しているため新鮮な海産物も豊富。
古くから海路の交易の要所であったため外国からの食材や文化の流入も多く、その富を背景に高級食材を
ふんだんに使った華やかな宴席料理が発達しました。食材としては、季節ごとの葉菜類、瓜類、茸類、
マンゴーやパパイヤなどの果物、フカヒレや乾鮑、燕窩から鶏、鴨、鳩などの家禽類など多彩を極めます。
一般的には、「灼」や「清蒸」など素材の新鮮な持ち味を生かすシンプルな調理法が中心ですが、
本書では、素材の旨味を引き出すために上湯や 清湯で何時間も蒸し煮する「燉」やスパイシーな下味をつけた肉を
釜で香ばしく焼く「焼
」などの技法にも注目。広東ならではの魅力的な料理を豊富に紹介し ています。
土地は肥沃で農作物に恵まれ、海に面しているため新鮮な海産物も豊富。
古くから海路の交易の要所であったため外国からの食材や文化の流入も多く、その富を背景に高級食材を
ふんだんに使った華やかな宴席料理が発達しました。食材としては、季節ごとの葉菜類、瓜類、茸類、
マンゴーやパパイヤなどの果物、フカヒレや乾鮑、燕窩から鶏、鴨、鳩などの家禽類など多彩を極めます。
一般的には、「灼」や「清蒸」など素材の新鮮な持ち味を生かすシンプルな調理法が中心ですが、
本書では、素材の旨味を引き出すために上湯や 清湯で何時間も蒸し煮する「燉」やスパイシーな下味をつけた肉を
釜で香ばしく焼く「焼

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![[第2巻]スペシャリテ:【東方】上海・【西方】四川](images/h_contents02.gif)

東シナ海、長江、湖沼や運河…海を中心に揚州、蘇州、杭州などが広がるこの一帯は、
ゆたかな水と穏やかな気候に恵まれ、古くから米や田畑の作物、
水 産物が豊富な「魚米之郷」と称されてきました。
水産物は海水産より淡水産のものが有名で、日本でも人気の高い陽澄湖の大閘蟹(上海蟹)はその代表格。
また春のジュンサイや龍井茶、冬に珍重される冬笋(筍)など季節の素材、
米を原料とした紹興酒や鎮江の香醋、さらに中国ハムの名品金華ハムや板鴨、魚肚など、名産品も多種多様です。
料理は、素材の持ち味を大切にした淡い味わいと、
醤油や砂糖をベースにしたこってりと甘辛く濃厚な味わいという2つのタイプに大きく分けられます。
ゆたかな水と穏やかな気候に恵まれ、古くから米や田畑の作物、
水 産物が豊富な「魚米之郷」と称されてきました。
水産物は海水産より淡水産のものが有名で、日本でも人気の高い陽澄湖の大閘蟹(上海蟹)はその代表格。
また春のジュンサイや龍井茶、冬に珍重される冬笋(筍)など季節の素材、
米を原料とした紹興酒や鎮江の香醋、さらに中国ハムの名品金華ハムや板鴨、魚肚など、名産品も多種多様です。
料理は、素材の持ち味を大切にした淡い味わいと、
醤油や砂糖をベースにしたこってりと甘辛く濃厚な味わいという2つのタイプに大きく分けられます。
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西方の食文化を代表する四川料理。発祥の地である四川盆地は、西はチベット自治区、
南は雲南省に接した内陸エリアで、揚子江の上流域に位置し、高温多湿の亜熱帯気候が特徴です。
この暑さをしのぎ爽快感を得るために、発汗をうながすスパイスが四川の味の要となったのは
自然な成りゆきだったのでしょう。「麻辣」な味わいに欠かせないトウガラシは、
日本でもなじみ深い豆瓣醤の原料であり、鮮烈な香りの花椒とともに複雑な辛さの魅力を発見させてくれます。
そして調味のバリエーションはこの辛さだけとは限りません。
本書では、「椒麻」「酸辣」「怪味」など、日本ではまだ十分に認知されていない四川ならではの
味わいも数多く収録。また、四川のもうひとつの料理である精進料理や、
冬虫夏草など薬膳素材を使う医食同源の考えに基づいた料理も紹介します。
南は雲南省に接した内陸エリアで、揚子江の上流域に位置し、高温多湿の亜熱帯気候が特徴です。
この暑さをしのぎ爽快感を得るために、発汗をうながすスパイスが四川の味の要となったのは
自然な成りゆきだったのでしょう。「麻辣」な味わいに欠かせないトウガラシは、
日本でもなじみ深い豆瓣醤の原料であり、鮮烈な香りの花椒とともに複雑な辛さの魅力を発見させてくれます。
そして調味のバリエーションはこの辛さだけとは限りません。
本書では、「椒麻」「酸辣」「怪味」など、日本ではまだ十分に認知されていない四川ならではの
味わいも数多く収録。また、四川のもうひとつの料理である精進料理や、
冬虫夏草など薬膳素材を使う医食同源の考えに基づいた料理も紹介します。
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![[第3巻]料理歳時記](images/h_contents03.gif)
![]() 旧暦1月4日の立春に始まる春の行事の中で、
最も盛大に祝われるのが旧暦の正月、春節。 人々は華やかな雰囲気の中で椒柏酒、桃湯を飲み、 五辛盤(五種の 辛味の料理)を味わって、 新年の到来を喜びあいます。 また道教に由来する旧暦1月15日の元宵節には、 糯米の粉でつくった元宵と呼ばれる点心が、 旧暦3月3日の上巳節には 薬膳的な鳥米飯が欠かせない料理になっています。 |
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![]() 古い史料によると、楚は戦国時代に誕生して
2300年あまりの歴史を持っています。 旧暦5月5日の端午節を粽子で祝うのは、 楚の時代の詩人にして政治家だった屈原の故事に ちなんだもの。今もこの日は中国各地で 多種多様なちまきが作られます。 また7月7日の七夕節は乞巧節とも言い、 女性の針仕事の上達を 願う日です。 果物や揚げ菓子、南方では糯米飯を供える習慣が 今も残っているそうです。 |
![]() 旧暦8月15日は美しい月を愛でる中秋節。
中国にはこの日に月餅を贈りあう習慣があり、 蘇州式・北京式・広州式など 地方色ゆたかで精緻な意匠をこらした 月餅が 人々の間でやり取りされます。 また9月9日は、菊の節句ともいわれる重陽節。 東漢の時代の故事に倣って山に登り、菊酒を飲み、 のびのびと野外で過ごします。 米の粉でつくった五色の菓子、 重陽 ![]() |
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![]() 冬至は二十四節気のひとつ。
中国ではこの日(12月22〜23日頃)を 陽気が戻る吉日と考え、中国北方では羊肉や餃子を、 南方ではお団子やワンタンを食べて祝い、 天と先祖を祀ります。さらに12月30日になると、 旧年から新年へと続く除夕を迎えます。 黄色い米と白い米を煮てつくる年飯、 四川の回鍋肉や 蘇州の饅頭、安楽菜、 暖鍋などに代表される年菜が調えられると、 静かに新年がやってきます。 |
●巻末に「歳時記」瀧満里子、「野菜彫刻と麺塑」川村 進、「刀法」山本 豊、
調味料の紹介、料理人プロフィール、料理名について、料理人別総索引、材料総索引。
調味料の紹介、料理人プロフィール、料理名について、料理人別総索引、材料総索引。
[野菜彫刻と麺塑] ![]() |
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[刀法] ![]() |
[調味料の紹介] ![]() |
